2024年12月16日 記事を追加しました。
>> 公務員から民間への転職理由を上手く伝えるコツ|職種別例文付き
転職エージェントを”賢く”選び、複数を”賢く”活用するコツを超詳しく解説しています。
- 転職書類ってどう書けばいいの…?
- やっぱり公務員は評価されにくいよね…
- 丸パクりできるサンプルがほしい
その不安、よく分かります。
5年前の私も同じ思いを抱えていました。
実は、ある大手企業の採用会議でこんな話が飛び交っていました。
「公務員出身?スピード感なさそうだし…」
「役所体質が抜けてなさそう」
「公務員なんて即戦力にならないでしょ」
公務員出身の私は、反論したい気持ちをグッと抑えました。
厳しい現実ですが、民間の採用担当が公務員に持つイメージってこんなもんです。
ですから、ハッキリ言って公務員から民間への転職は厳しいです。
ですが、ご安心ください。
この記事を読むことで偏見を”チャンス”に変えることができます。
実際、私が支援した元公務員の方々は、こんな実績を出しています。
- 書類選考通過率:30%アップ
- 面接通過率:25%アップ
- 年収:平均80万円アップ
秘訣は、たった一つ。
「公務員ならでは」の経験を、「民間企業がほしい」スキルに”翻訳”して”イメージ”させること
この記事では
- 採用担当の心をつかむ履歴書の作り方
- 公務員経験を武器に変える職務経歴書の作り方
- 内定を勝ち取った先輩たちのサンプル
をバッチリお伝えしています。
偏見はむしろチャンス。
その理由を具体的にお見せしていきます。
情報量が多いので、お気に入りに保存することをオススメします。
逆境からの逆転戦略
”使えない”をチャンスに変える
民間の採用担当は
「公務員って指示待ち体質なんでしょ?」
「マニュアル通りしかできないんじゃ…」
「数字への意識が低そう」
公務員に対して、こんなイメージを持っているのが現実です。
「そんなことない!!」
その気持ち、よく分かります。
事実、私も元公務員ですから行政にも優秀な人材がいることをよく知っています。
でも、実態として民間の採用担当は公務員出身者にネガティブなイメージを持っています。
ですから、公務員から民間への転職は、民間から民間に比べて厳しいです。
では、どうすればいいか?
民間の採用担当者が公務員に対して持つ偏見を”武器”に変えればいいだけです。
やり方さえ分かってしまえば、むしろチャンス
なぜ、そう言い切れるのか?
民間企業で4年間、採用担当もしてきた私が本音をぶっちゃけます。
民間の採用担当が大量の応募書類を一つずつ、最初から最後までしっかり目を通すなんてことしてません。
しかも、公務員出身者の書類なんて、どうせ役所っぽい堅苦しい書き方なんでしょ?
こんな偏見丸出しで見ています。
でも、たまーーーに、
「えっ!?公務員なのにこんなことしてるの!?」
って書類に出会うことがあります。
この反応をさせることができれば、”チャンス”です。
公務員だから…を、公務員なのに!?
やっぱり公務員は…を、公務員ってすごい!!
こう思わせることができれば、勝率がグッと上がります。
むしろ、他の応募者よりも強く推されることだってあるかもしれません。
民間で重宝される強み
実は、公務員出身者には、民間企業が欲しがる”レアな強み”があることを知っていますか?
✅️ 確実性
公務員の仕事って、ミスが許されません。
血税を使う重圧は、ものすごいものがありますよね。
ミスしようものなら、地元の議員が飛んできたり、知事から呼び出されたりと大変です(笑)
でも、この緊張感の中で働き、育んできた”確実性”というスキルは、民間ではなかなか身につかないスキルです。
✅️ 交渉力
公務員の仕事って、いろんな人と接しますよね。
私も市派遣を経験しているので、毎日毎日、意味不明なことを言ってくる市民と接していました(笑)
アホとかボケとか言われながも、できることとできないことを相手に納得してもらうまで説明するスキルは、民間でも重宝されるスキルです。
✅️ 調整力
公務員の仕事って、やたらと登場人物が多いですよね。
県庁時代、国や市町村と仕事をする機会が多かったのですが、まあ、登場人物が多いこと…。
自分の県の中でも各課の言い分が違いますし、国や市町村でも言い分が違うことが多々ありました。
今振り返っても、調整業務は本当にしんどかったです。
みなさん当たり前にこなしていますが、この調整力はマジで重宝されるスキルです。
これらはほんの一例ですが、意外に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
もちろん、民間出身者の中にもこれらのスキルを持つ人はいますが、行政ほどの規模感で培ったスキルは一味違います。
”伝説の転職”を生んだ書類
私の中で語り継がれている伝説ですが、公務員の転職を支援しようと思ったきっかけの出来事をご紹介します。
ある日、公務員時代の同僚が、当時民間企業で採用担当をしていた私に転職相談をしてきました。
「書類選考を通過できない…」
この同僚は超優秀で、私なんて足元にも及びませんでした。
不思議に思ったので、転職書類に目を通すと
「住民票発行業務を担当し、丁寧な対応を心掛けました」
書類選考を通過できない理由がハッキリしました。
理由を説明し、次のように修正してあげました。
「年間3,000件の窓口対応の中、慢性的に発生していた窓口の混雑を緩和するためのプロジェクトのリーダーとして班員5名とともに、新マニュアルの作成・動線を再構築しました。
窓口担当への研修も実施して新マニュアルを浸透させた結果、待ち時間を30分から18分に短縮し(40%減)、苦情件数80%減少を実現することができました。
この取り組みは、役所内の全窓口担当部署のモデルケースとして採用され、年4回、研修の講師として役所全体の業務効率化に貢献しています。」
どちらがより優秀な人材に見えるか一目瞭然ですよね。
こうして、履歴書と職務経歴書を全て修正した結果、今まで落ちていたのが嘘のように、書類選考を通過する数が増えました。
このときの喜びと満足感をもう一度得たいために、「公務員のための転職支援事業」を立ち上げました。
書類選考の通過率を引き上げた”ワザ”を履歴書と職務経歴書を分けて具体的に解説していきます。
履歴書・職務経歴書の基本
履歴書と職務経歴書の決定的な違い
転職に絶対必要な書類はこの2つです。
- 履歴書
- 職務経歴書
公務員しか経験してない方は、
- 履歴書は採用時に1回だけ
- 職務経歴書なんて様式も見たことない
- どこから手をつければいいのか分からない
こんな感想じゃないですか?
でも大丈夫!安心してください。
元公務員で民間採用を経験した私がすべて解決します。
まずは、超シンプルにそれぞれの違いを説明します。
- 履歴書は「予告」
- 職務経歴書は「本編」
つまり、予告編(履歴書)で、「おっ!この人いいかも!」と思わせて、
本編(職務経歴書)で「やっぱりすごい人だ!会ってみたい!」と思わせる。
これが、内定獲得への黄金ルートです。
履歴書がイマイチだと、職務経歴書まで見てもらえません。
職務経歴書がイマイチだと、せっかくの興味も薄れてしまいます。
ですから、どちらも手を抜いてはいけません。
なぜ、履歴書と職務経歴書を作り込む必要があるのか
民間企業で採用担当をしていた私がぶっちゃけます。
採用担当は、1日に数十人の応募書類に目を通します。
メインの仕事の合間で。
決して多くない時間で、数十人の書類を精読するのは不可能です。
というか、無駄なのでしません。
そうなると、
- 履歴書は「30秒」で判断
- 職務経歴書は「興味を持った人だけ」目を通す
こんな感じで選別していきます。
これは、すべての企業で同じです。
ですから、履歴書と職務経歴書をしっかりと作り込まなければいけません。
よくある質問
転職書類は手書きですか?
パソコン作成が一般的です。
履歴書と職務経歴書で内容が重複してもいい?
むしろ重複させた方がいいです。
履歴書では簡潔に、職務経歴書では詳しく書くイメージです。職務経歴書の適切な長さは?
A4用紙2〜3枚が目安です。1枚だけは物足りないです。
次は、「違いを見せつける履歴書の書き方」を解説します。
違いを見せつける履歴書の書き方
いよいよ、実践編です。
履歴書の基本的な記載事項は次のとおり。
- 写真
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 電話番号
- 学歴・職歴
- 免許・資格
- 志望動機
これらの中で大事なのは、
- 写真
- 職歴
- 志望動機
理由を説明していきます。
さきほども解説しましたが、
- 履歴書は「予告」
- 職務経歴書は「本編」
採用担当は、限られたわずかな時間の中、30秒で予告(履歴書)に目を通し、興味がわかなければ落とします。
- 昼休みの15分
- 会議の合間の10分
- 就業間際の疲れた頭で…
採用担当の心をつかむ勝負の30秒
採用担当が履歴書で見るのはココだけです。
1 パッと見チェック(5秒)
・写真(しっかりしてそうかな?)
2 ざっと確認(10秒)
・最終学歴(どんなバックグラウンド?)
・直近の職務内容(今、何やってる人?)
3 じっくり読む(15秒)
・志望動機(うちでやる気あんの?)
この30秒に光るものを見せつけられなければ敗退です。
採用担当の心をつかめるかどうかは30秒で決まります。
光るものを見せつける”ワザ”
30秒で採用担当の心をつかむために重要なのは、「光るもの」を見せつけることです。
光るものを見せつける”ワザ”は、
- 第一印象:「できる人そう」と思わせる
- 意外性:「公務員なのにこれできんの!?」と思わせる
- 具体性:「実績すごっ!!」と思わせる
それぞれ解説していきます。
第一印象
第一印象で”できる人”を演出します。
第一印象でその人の印象が8割決まります。
よくこのような質問をされます。
「スマホで撮った写真でもいいですか?」
答えは「よくない」です。
ただでさえ、逆境の立場にいる公務員ですよ?
その中で、不出来な写真を見て、採用担当がどんな印象を持つかイメージしてください。
プロのカメラマンに撮ってもらうために必要な金額は、高くても10,000円です。
あなたという商品に10,000円かける価値、ないですか?
それでも、
「絶対、スマホで撮るんだ!!」って人のために、特別に”できる人感”を出す極意をお教えします。
✅️ 表情
やわらかな自然な表情で、目は真っ直ぐカメラ目線、口角を少し上げる。
緊張し過ぎず、リラックスしてください。
撮影の10分前に好きな音楽を聴いて、心を落ち着かせると良いでしょう。
✅️ 服装
清潔感のあるジャケットに、清潔な白シャツを着用してください。
男性のネクタイは、控えめな色合いで。
面接時と同じ服装で写ることがベストです。
同じ服装にすることで
「この人細かいところまで考えているな」
「段取りが上手そう」
という印象を与えることができます。
✅️ 撮影環境
白の無地の背景で、自然光が入る明るい場所を選んでください。
天井の照明だけでは明るさが足りず、また、不均一な明るさになってしまいます。
これだけは絶対にやめてください
❌ 暗い表情や無表情
「融通が利かない人?」と思われます。
❌ 派手すぎる背景
「真面目さに欠ける」と思われます。
❌ 写真が古すぎる
「誠実さが足りない」と思われます。
❌ どアップ過ぎる
「圧迫感がある」と敬遠されます。
❌ 不自然な笑顔
「コミュニケーション下手?」と思われます。
❌ 髪がボサボサ
見られていますよ、細かいところも
実は、写真って面接での印象も左右します。
面接当日、緊張して表情が硬くなっても、写真の印象が良ければ、
「あっ、この人緊張してるだけだな」
と思ってもらえます。
ですので、繰り返しになりますが、履歴書の写真は超重要です。
10,000円を出す価値、十分にあると思います。
意外性
光るものを見せつけるには、”こいつは違う!”と思わせることが重要です。
「市民課で住民票発行業務を担当し、丁寧な対応を心掛けた」
こう書いてある場合と
「窓口業務改革プロジェクトを主導。
年間3,000件の処理業務を抱える部署で、独自の業務改善を提案・実行。
結果、待ち時間の40%削減を実現。
この取り組みが役所内の全窓口担当部署のモデルケースに採用。」
こう書いてある場合とでは、どちらに”できる人感”があるか一目瞭然ですよね。
これを見た採用担当は、こう思うはずです。
「公務員の履歴書から
・プロジェクト!?
・チームで効率化!?
・システムを構築!?
マジか…公務員でこんなことしてたの?
こいつは一味違うぞ!!」
なぜ、採用担当がこう思うのか、理由は明白です。
採用担当の中にある「公務員=お役所仕事」という先入観を一瞬で覆せたから。
意外性を持って覆せると、一気に勝ち戦が見えてきます。
具体性
意外性を抱かせるために大事なのは、具体性を出して実績を示すことです。
具体的には、
1 数字を出す
たくさんの → 3,000件
改善した → 40%削減
2 主体性のアピール
担当した → プロジェクトを主導
対応した → 提案・実行
3 影響力の証明
評価された → モデルケースに採用
修正前の表現より、実績が具体的にイメージできるようになりました。
ここで、私が支援した元公務員の方々の実例をご紹介します。
<福祉課の経験>
旧:「介護保険の相談業務を担当」
新:「介護保険窓口の改善プロジェクトでチームリーダーを務め、マニュアルを刷新。
相談対応時間を40%短縮し、苦情件数を40%削減に成功」
<財政課の経験>
旧:「予算管理業務を実施」
新:年間50億円規模の予算管理を担当。
部署横断プロジェクトを立ち上げ、経費削減施策を推進し、3年間で約1億円の経費削減を実現」
このように書き方を変えるだけで、見せ方を劇的に変えることができるんです。
”ワザ”を使った光る志望動機の書き方
せっかく志望動機まで見てもらえても、”光って”ないと落とされます。
光るものを見せつける”ワザ”を使って、志望動機を光らせましょう。
まずは、ある元市役所職員の方の例をご覧ください。
「民間企業で成長したいと考え、貴社に魅力を感じました」
民間の採用担当の本音はこうです。
「はいきましたーー、コピペ……次!」
こんな志望動機を読まされた日には、憤りすら感じます(笑)
では、こちらはどうですか?
「市役所に貴社のシステムを導入した際、現場の声に真摯に向き合い、柔軟な改善を重ねる貴社の姿勢に強く感銘を受けました。
私は、市民課で年間3,000件の相談対応に対する業務改革を担当し、待ち時間の40%削減を実現しました。
行政で培った業務効率化のノウハウを活かして、貴社の〇〇の分野の業務を効率化したいと考えています。」
民間の採用担当の本音はこうです。
「おっ、ちゃんと調べているな。
しかも、具体的な実績もあるから、この人、使えるかも?」
なにがどう違うのか解説していきます。
志望動機には、「黄金法則」があります。
志望動機の黄金法則
- きっかけで接点を示す
- 結びつきを伝える
- 具体的な貢献案を示す
それぞれ解説していきます。
きっかけで接点を示す
まずは、なぜこの会社に興味を持ったのかを示します。
ポイントは、
- 実体験を基にする
- 具体的なエピソードを語る
経験に勝る説得力はありません。
結びつきを伝える
興味を持ったエピソードの中に自分と応募先との結びつきを示します。
例でいうと「・・感銘を受けました」の部分です。
感銘を受けたから、一緒に働きたい
このように「感銘」という”原因”があって
「一緒に働きたいと思うようになった」という”結果”を示すと納得感が増します。
「好きになったから、付き合いたい」と告白された場合と
「何とも思わないけど、付き合いたい」と告白された場合とでは、どちらの告白に納得感がありますか?
具体的な貢献案を示す
一緒に働きたいと言われても、給料に見合うだけの”メリット”をアピールしなければいけません。
「自分を採用することで、あなたの会社にはこのようなメリットがありますよ!」
「しかもこのメリットは給料以上の価値があるんですよ!」
ということを具体的に示して、イメージさせることが重要です。
例えば、道端で急にメガネを売りつけられたとしましょう(笑)
あなたは今の裸眼状態でもそれなりに見えているので苦労ありません。
そんなタイミングでメガネを売りつけられても、いらないと思いますよね?
ですが、こんなフレーズで売り込まれたらどうですか?
「このメガネをつけることで視力がグッとよくなるので、今まで遠くからぼんやり見ていた憧れのあの人の顔を、今までと同じ距離でもより鮮明に見ることができるようになりますよ」
どうです?
買いたくなりません?(笑)
このように、あなたを採用した後のメリットを具体的にイメージさせることができれば、採用にグッと引き寄せることができます。
内定獲得者の履歴書サンプル
ここまでをまとめるために、実際に内定を勝ち取った方の履歴書のサンプルをお見せします。
ノウハウをギュッと詰め込んでますので、繰り返し見ることをオススメします。
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よくある質問
Q:写真は必ず新しく撮り直す必要がある?
A:3ヶ月以内の写真が望ましいです。
Q:職歴欄の書き方で、役職は必要?
A:係長以上の役職は書いた方がよいです。
Q:志望動機は長く書いた方がいい?
A:履歴書では3〜4行程度が適切です。
詳しい内容は、職務経歴書に書きましょう。
Q:様式はどこから入手できますか?
A:厚生労働省のHPからダウンロードできます。
次は、「勝負を決める職務経歴書の書き方」を解説します。
勝負を決める職務経歴書の書き方
公務員経験を"民間の武器"に変える
職務経歴書の基本的な記載事項は次のとおり。
- 職務要約
- 職務経歴
- PCスキル
- 資格
- 自己PR
これらは、全て大事です。
思い出してください。
- 履歴書は「予告」
- 職務経歴書は「本編」
予告で興味をひいて、本編に全てをかける。
それだけ職務経歴書も大事なのですが、ほぼ全員書き方が分かっていません。
それでは、どんなに優秀でも伝わりません。
ですが、ご安心ください。
民間の採用担当として数千の職務経歴書を見てきた私が、経験の中で見つけた”必勝パターン”を解説します。
共通するポイントは、「偏見を武器に変える」これだけです。
まずは、よくある残念な書き方をご覧ください。
- 住民課で窓口対応を担当
- 待ち時間の改善を実施
これでは、民間の採用担当が持つ偏見、そのまんまです。
では、こちらの書き方ならどうでしょう。
- 顧客サービス部門で年間3,000件の相談に対応
- 独自のマニュアル作成により待ち時間を40%短縮
一気に見栄えが変わって「おっ!」と思わせることに近づけたんじゃないでしょうか。
ここで大事なのは、「民間の採用担当が持つ偏見」です。
「公務員って指示待ち体質なんでしょ?」
「マニュアル通りしかできないんじゃ…」
「数字への意識が低そう」
このような偏見を覆すことができれば、あなたに対する評価は激変し、内定をグッと引き寄せることができます。
価値を数字で証明する
先ほどの良い例です。
- 顧客サービス部門で年間3,000件の相談に対応
- 独自のマニュアル作成により待ち時間を40%短縮
ここには、数字がきちんと記載されています。
数字を記載することで主張が具体的になり、あなたが「どれだけの価値を生み出したか」ということを具体的に証明できるようになります。
あなたが生み出した価値を具体的に見せることができれば、採用担当もあなたが採用後に活躍している姿をイメージしやすくなり、
「これなら、うちでも活躍できるかも!」
このように、思わせることに繋がります。
「数字で表せることなんてない…」
そう決めつけるのは早いです。
探せば、必ずあります。
まずは、ここを探してみてください。
✅️ 日々の業務から
・1日の対応件数
・処理時間
・対応の種類と割合
・解決までの所要日数
・相談解決率
✅️ チーム単位で
・課の人数
・担当エリアの人口
・管轄地域の規模
・予算の規模
✅️ 年間スパンで
・年間目標値
・年間処理件数
・イベント参加者数
・研修実施回数
・プロジェクト件数
・実績報告の件数
・改善率の推移
ほんの一例ですが、数字出せそうじゃありませんか?
眠っている経験を輝かせるワザ
こんな経験していませんか?
- 窓口の混雑緩和マニュアルの作成
- 新システムの導入
- 市民向けイベントの企画
- 研修プログラムの立案と運営
これらは、民間でいう「プロジェクト」です。
プロジェクトとは、一般的に「目的を期限内に達成する活動」と解釈されています。
ですから、目的も期限もあるこれらの業務は、立派なプロジェクトなのです。
そして、これらのプロジェクトを輝かせるには、「PREP法」が有効です。
PREP法
Point:結論
Reason:理由・裏付け(データ、事例、エピソードなど)
Example:具体例
Point:まとめ
調整資料の中の「一枚もの」「ペライチ」は、ほとんどこの構成で書かれているので馴染あると思います。
それでは、「窓口の混雑緩和マニュアルの作成」プロジェクトを例に、PREP法を使って輝かせます。
Point:結論
待ち時間30分 → 18分に短縮を実現
Reason:理由
市民からの苦情増加が課題500件増
特に混雑時の待ち時間に不満
Example:具体例
2週間かけて実態調査
課題抽出(3つのボトルネック特定)
対策立案(職員5名で対策班を結成)
施策実行(新マニュアル作成+動線改善)
Point:まとめ
待ち時間40%削減
苦情件数80%減少
PREP法を使うことで、みなさんが普通のことと思っていた日頃の業務が輝きましたね。
PREP法とあわせて他のテクニックが隠れています。
- 数字で規模感を示すこと
- プロセスを明確にすること
- 成果を数字で示すこと
これも少し意識するだけです。
「そんなに大きなプロジェクトを経験したことないし…もう無理…」
自信をなくすにはまだ早いですよ。
プロジェクトって、大規模である必要はないんです。
小さな改善でも、なぜそれを行い、どう進めて、何を実現したのか。
この一連の流れが見えれば、十分価値のあるプロジェクトとして評価されるんです。
プロジェクトがない人向けの実績の書き方
「それでもプロジェクトなんて経験してませんよ…」
そんな方もご安心ください。
通常業務でも書き方次第で、十分アピールできます。
✅️ 窓口業務の場合
旧:「住民票発行の窓口で対応」
新:市民窓口サービス担当
月間対応件数:300件
処理時間:一件7分(市平均12分)
苦情件数:年間2件(前年比-80%)
研修講師も担当(新人5名育成)
✅️ 予算関連業務の場合
旧:「予算管理業務を担当」
新:財務管理担当
年間予算規模:30億円
予算執行率:99.8%
経費削減額:前年比-15%
部署横断施策:5件立案
いかがですか?
- 数字で規模感を示すこと
- 成果を数字で示すこと
これらを意識するだけで印象がまるで違いますよね。
ですから、通常業務だけでも自信をもってアピールしちゃってください。
即戦力としてのアピール方法
「プロジェクトを数字で表せたからといって、民間で通用する強みなんてありませんよ…」
断言します。
あなたは、自分のスキルを過小評価しています。
実際に私が採用に関わった例をご紹介します。
その応募者は、税務課の方でした。
「税務課の仕事が我が大手メーカーに貢献するはずがないだろうが、一応、見てみるか」
そんな気持ちで目を通した、履歴書と職務経歴書
ん?
んんっ?
滞納率を30%改善しただと!?
まず、データを分析して傾向を把握
そのあとに、新しい案内方法を考えて、
職員研修の仕組みも構築
その結果、滞納率を30%改善
そのときの私は、お恥ずかしながら、公務員出身者であることも忘れて、ガッツリ民間の採用担当になっていました(笑)
ですから、この方の書類をみた時に、偏見が一気に覆ったんです。
- データ分析ができて
- 改善策も考えられて
- 人材育成もできる
こんな人材、今、我が社が求めている研修担当として即戦力じゃないか!!!!
そして、この方は、内定を勝ち取って、今や某大手メーカーの研修室長です。
即戦力としてアピールする方法として大事なことを解説します。
- 1 過去経験した職務をプロジェクト形成で整理
- 2 具体的な数字を用いたストーリーをもたせる
- 3 企業が募集している職種と親和性をもたせる
たったこれだけ。
1と2はさっきの項で解説しました。
ここで解説するのは、
3 企業が募集している職種と親和性をもたせる
親和性をカンタンにいうと「相性の良さ・結びつきやすさ」です。
転職活動における親和性とは、応募する業種・職種とあなたの実績・スキルの結びつきやすさです。
採用担当は、あなたの経験を「自社でどう活かせるか」という視点で見ています。
そこで、親和性のある実績・スキルを語れると、採用担当は、あなたを採用した後にどんな活躍をしてくれるだろうかということがイメージしやすくなります。
だからこそ、実績やスキルは「親和性のあるもの」でアピールすることが重要です。
例えば、
IT企業志望の場合は、
「デジタル化」や「効率化」
メーカー志望の場合は、
「コスト削減」や「効率化」
サービス業志望の場合は、
「顧客満足」や「品質向上」
このような、応募先の企業が求めていそう実績・スキルを語れるように準備して、それを積極的にアピールしてください。
転職理由を上手く伝えられない方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
>> 公務員から民間への転職理由を上手く伝えるコツ|職種別例文付き
-
公務員から民間への転職理由を上手く伝えるコツ|職種別例文付き
業界別・親和性のある構成の例
構成のイメージをご紹介します。
あくまで一例ですが、こんな感じで作っていければ良いです。
✅️ 大手メーカーの場合
特に見られるポイント:
・数値管理能力
・生産性向上の実績
・コスト意識
<職務経歴書の構成例>
「予算管理改革プロジェクト」
期間:2年間
規模:年間予算50億円
体制:5名体制(リーダー)
現状分析
・予算消化に偏重
・費用対効果の意識が低い
・部署間の予算配分に課題
取り組み内容
・予算管理システムの刷新
・月次PDCAの導入
・部署横断タスクフォース結成
具体的成果
・経費削減:年間1億円
・業務効率:30%向上
・残業時間:40%削減
✅️ IT企業の場合
特に見られるポイント:
・デジタル化の推進力
・プロジェクトマネジメント
・業務改善力
<職務経歴書の構成例>
「窓口業務デジタル化プロジェクト」
期間:1年半
規模:導入費用3000万円
体制:8名体制(サブリーダー)
現状分析
・紙ベースの手続きが90%
・処理に時間がかかる
・職員の負担大
取り組み内容
・業務フローの分析・再設計
・システム要件定義
・段階的な電子化推進
具体的成果
・電子申請率:60%達成
・処理時間:75%削減
・市民満足度:30%向上
✅️ サービス業の場合
特に見られるポイント:
・顧客対応力
・サービス改善実績
・クレーム処理能力
<職務経歴書の構成例>
『市民サービス改革プロジェクト』
期間:1年
規模:対象市民20万人
体制:6名体制(リーダー)
現状分析
・待ち時間の長期化
・苦情の増加傾向
・職員のモチベーション低下
取り組み内容
・市民アンケート実施・分析
・接遇研修プログラム開発
・フィードバックの仕組み構築
具体的成果
・待ち時間:60%短縮
・苦情:80%減少
・職員の離職率:半減
内定獲得者の職務経歴書サンプル
ここまでをまとめるために、実際に内定を勝ち取った方の職務経歴書のサンプルをお見せします。
ノウハウをギュッと詰め込んでますので、繰り返し見ることをオススメします。
PDFでご覧になりたい方は会員限定ページからご覧ください(会員特典)
よくある質問
数字が思い出せない場合はどうする?
概算でも構いません。「約」や「およそ」をつけて記載しましょう。
プロジェクトリーダーじゃなかったけど書ける?
もちろんです。チームの一員として何を担当し、
どんな成果を出したのかを具体的に書けば十分です。様式はどこから入手できますか?
決まった様式はありませんので、サンプルを例に作成してみてください。
会員の方は、会員限定ページからダウンロードできます。
次は、「プロ直伝の仕上げテクニック」を解説します。
プロ直伝の仕上げテクニック
履歴書と職務経歴書を100%に仕上げる方法をお伝えします。
提出前の最終チェックです。
実は、ここで差がつきます。
書類の仕上がりは、その人の仕事の丁寧さを表しています。
どんなに立派なことが書かれていても、誤字や脱字、数字の誤りがあると、「実務でもミスが多そうだな」と判断されてしまいます。
そうならないためにも提出前の最終チェックが超重要です。
私が実際に行っている最終チェックのポイントをお伝えします。
ぜひ取り入れてみてください。
提出前に絶対する3ステップ+1
✅️ 印刷してチェックする
画面で見るのと、紙で見るのでは、全然印象が違います。
・確認ポイント
・文字の大きさは統一されているか
・インデントは揃っているか
・余白のバランスは良いか
・全体的に読みやすいか
・誤字脱字はないか
・日付に間違いはないか
・社名は正確か
・数字に誤りはないか
・文末表現は統一されているか
✅️ 音読チェック
声に出して踏むと、不自然な表現がすぐに見つかります。
・確認ポイント
・文章は簡潔か
・主語と述語は対応しているか
・言い回しは自然か
・説明は論理的か
・強調したい点は際立っているか
・公務員っぽさは軽減されているか
・民間目線の言葉遣いか
・前向きな表現になっているか
・具体的な成果が見えるか
✅️ 時間をあけて見直し
一晩置いて、翌朝の頭がクリアなときにもう一度読み返します。
・確認ポイント
・説得力のある内容か
・アピールポイントは伝わるか
・話の流れは自然か
そして、最終仕上げとして第三者に見てもらいましょう。
自分だけのチェックだと甘くなりがちですし、実際、作った書類を見るのは第三者です。
第三者から見て「この人はどんな人に見えるか」が大事です。
率直な感想をズバズバ言ってくれそうな人に頼みましょう。
できれば、あなたのことを全く知らない他人に頼むのがベストです。
ご家族や友人だと、やっぱり甘くなりがちです。
もし、必要であれば私を頼ってください。
あなたのことを全く知らないですし、採用担当としての目線でフィードバックすることができます。
これで完璧な履歴書と職務経歴書の完成ですね!!
おつかれさまでした!
あとは、面接対策に全集中するだけです。
よくある質問
提出前のチェックは自分だけでも大丈夫?
第三者に見てもらうことを強くオススメします。
修正液の使用はNG?
完全にNGです。書き直す場合は新しい紙一択です。
まとめ
この記事では、公務員から民間企業への転職で必須となる履歴書と職務経歴書の書き方を解説してきました。
まず、基本として、
- 履歴書は「予告編」
- 職務経歴書は「本編」
という役割の違いを押えてください。
履歴書で興味を引き、職務経歴書で確信を持たせる。
この流れが内定への近道です。
履歴書では、たったの30秒で採用担当の心をつかむ必要があります。
写真の印象、職歴の書き方、志望動機の構成、すべてが勝負の分かれ目です。
特に、「公務員だから...」というマイナスイメージを
「公務員だからこそ」という強みに変えることがポイントです。
職務経歴書では、あなたの経験を民間目線で”翻訳”することが重要です。
数字で価値を証明し、プロジェクト形式で整理し、業界別の求められるスキルと結びつける。
この3ステップで、あなたの経験は輝きを増します。
最後は仕上げです。
印刷してチェック、音読で確認、時間をあけて見直す。
この3段階のチェックと第三者の目を借りて完璧な仕上がりを目指します。
公務員経験は、決してマイナスではありません。
むしろ、民間企業が求める「確実性」「交渉力」「調整力」はとても強力な"武器"になります。
この記事で学んだ「見せ方」を工夫して、道を開いてください。
この記事が、あなたの一歩を後押しできれば幸いです。